プロジェクト詳細

意見公募中
JBC00000454
今治市大島のアマモ場保全・維持におけるシビックプライド育成事業

NPO法人今治シビックプライドセンター

愛媛県漁協協同組合 渦浦支所 

愛媛県漁協協同組合 志津見支所

愛媛県漁協協同組合 宮窪支所

今治市

自然基盤
吸収源の回復、維持、劣化抑制
平成31年より、「桜井地区海を守る会」が幸港においてアマモの花枝採取を行ってきました。採取した種を活用し、桜井小学校・桜井中学校が桜井の海岸で播種を行うなど、アマモ場の再生活動を推進してきました。 NPO法人今治シビックプライドセンターでは、「海」を今治のシビックプライド(まちに対する誇りや愛着)と捉え、「海洋教育を活かした持続可能なまちづくり」を展開しています。その一環として、小中学生の「海」への興味・関心を継続させるとともに、海の環境を「きれいな海から豊かな海」へと転換していかないといけないことを理解してもらうことを目的に、令和4年より「今治アマモプロジェクト」を実施しています。 「今治アマモプロジェクト」では、全国でもお堀に海水を引いているお城が3か所しかない中、その一つである今治城のお堀を活動場所とし、かつてアマモが生育していた今治城のお堀にアマモを復活させることを目指しています。そのため、幸港で採取したアマモの種を播種、そして移植する活動を今治城で行っています。 幸港は、アマモの花枝が外海へ流れ出ることなく港内に集まることから、「今治アマモプロジェクト」では種の採取場所として幸港を活用しています。しかし、令和5年12月、幸港のアマモを多年草と考え、地下茎のアマモを今治城のお堀へ移植するために潜水作業を行ったところ、海底にはアマモの地下茎や株がほとんど見られず、幸港のアマモが1年草化していることが判明しました。この発見を契機として、幸港のアマモ場そのものを保全・維持することが、活動の重要な柱の一つとなりました。 当団体が活動する今治市街地と、幸港のある吉海町とは距離があるため、地域主体でアマモ場を保全・維持するための枠組みを構築する必要がありました。そこで、幸港を管理する愛媛県から保全・維持活動について承認を得て、活動を開始しました。また、幸港の漁業権を有する愛媛県漁業協同組合渦浦支所・志津見支所については、令和4年よりアマモ採取の許可を得ており、保全・維持活動への理解と協力を得ることができました。さらに、今治市の港湾漁港課、農林水産課、環境政策課、学校教育課とも協議を重ね、幸港近隣の吉海中学校との連携について進めました。 令和6年から保全・維持活動を開始し、国立研究開発法人水産研究・教育機構水産技術研究所に協力を依頼。現在も幸港周辺のアマモの生育状況について継続的な調査を行っています。その中で、幸港近辺には多年草として生育するアマモが存在することも確認されました。また、今回申請する範囲以外にも広域的なアマモ群が確認されており、幸港内のアマモ場と近隣区域のアマモ群との関係性についても継続して調査しています。 令和6年からは、吉海中学校1年生によるアマモの花枝採取、種取り、播種活動を継続しています。令和7年度には、活動内容を保護者や地域の方々に発表する機会を設け、中学生自身がアマモの保全活動の必要性を地域に伝える取り組みへと発展させることができました。 また、令和6年から令和7年にかけて、幸港における年間の水温調査を実施しました。その結果、年間20日以上にわたり水温が28℃以上となることが確認され、海水温とアマモの1年草化との関係についても考察を進めています。 令和7年には、認定特定非営利活動法人アースウォッチ・ジャパンが実施する環境DNAを用いた魚類調査プロジェクトを幸港で実施し、幸港に生息する魚類の生態系について把握しました。また、令和7年には、クレジット申請に向けた予備調査も実施しました。さらに、幸港のアマモについて広く知ってもらい、保全・維持活動の輪を広げるため、アマモに関する講演会も開催しました。 こうした活動を地域全体に広げるため、今回の申請にあたっては、渦浦・志津見・宮窪の3漁協が協力し、「大島の海を守る会」を構築することができました。 これまでの調査により、幸港のアマモ場は今回申請する範囲だけではなく、さらに広範囲に分布していることが確認されています。また、地下茎を持つ多年草のアマモやコアマモなどが混在するアマモ場も確認されています。幸港自体が湾状の地形であることから、今後は幸港全体のアマモ場の分布や生育状況を把握することで、保全活動や播種を行う適切な場所についても検討していく必要があります。 今回の申請を契機として、幸港に広がるアマモ場の保全・維持活動に対する関心を高め、地域における継続的な調査・保全体制をさらに強化していきたいと考えています。そして、幸港での取り組みを大島全体、さらには今治市全体へと広げることで、「海」の環境を守る意識の向上と、持続可能な海洋環境の保全につなげていきたいと考えています。
令和4年~現在