プロジェクト詳細

意見公募中
JBC00000329
陸奥湾野辺地町でのアマモ場の保全と造成活動

野辺地町漁業協同組合

野辺地町

八戸工業大学

自然基盤
吸収源の新たな創出
吸収源の回復、維持、劣化抑制
・プロジェクト立ち上げの理由 野辺地町では、2000年ごろから中国向けナマコ輸出の増大に伴い価格が高騰し、桁曳によるナマコの漁獲圧が高まり、同時に稚ナマコや稚魚の生息場、育成場となるアマモ場の減少が認められるようになった。これを受けて、野辺地漁業協同組合では、桁曳漁業の禁漁区を設定し,アマモ場の保全とナマコ資源の保護に取り組むこととした。 ・プロジェクト開始後の活動内容の説明 野辺地町漁業協同組合は、プロジェクト開始後に、青森県、野辺地町、八戸工業大学や青森県内企業と連携し、以下の活動に取り組んでいる。 1 アマモ場の保全 野辺地町漁業協同組合では、2004年ごろから野辺地港西防波堤以西の馬門地区地先の海域について組合が定めた解禁日(口開け)を除き桁曳漁業を制限した。さらに、その中でも特に離岸堤と海岸に囲まれた海域については,桁曳漁業を完全に禁漁とし、アマモ場の保全に取り組んでいる。 2 アマモ場づくりの活動 刺網やナマコ桁曳などの漁業に従事する野辺地町漁業協同組合小型船部会に所属する漁業者ダイバーや若手漁業者は、10年以上にわたり、青森市内の志田内海(株)と協力してスゲアマモの花枝を採取している。採取された花枝からは、青森県営浅虫水族館などの協力を得て種子を取り出し、野辺地町のほか、青森市や蓬田村の地先海域に播種し、陸奥湾全体でのアマモ場の再生に取り組んできた。 さらに、2022〜2024年度にかけて八戸工業大学地域産業総合研究所と共同で、野辺地町木明地先の水深5mの海底に設置した試験区に野辺地地先で採取したスゲアマモの種子および栄養株を移植し、発芽や繁殖状況の観察など、アマモ場造成に関する試験を実施した。 これら活動の一部は、2019年1月に野辺地町漁業協同組合刺網・底曳・底見漁業者連絡会に所属する漁業者が青森県青年・女性漁業者交流大会で成果を報告し、優秀賞を受賞した。 3 漁場環境の保全活動 野辺地町漁業協同組合と野辺地町は、毎年6-7月に、漁業者による海岸清掃活動を実施している。活動では、海岸に漂着した漁業系廃棄物などを回収し、適切に分別・処理場での処分を行うことで、漁場環境の保全に取り組んでいる。 4 アマモ場の保全と造成効果 2024年度に青森県「ブルーカーボン創生事業」の一環として野辺地町漁業協同組合、青森県東青地域県民局東青地方水産事務所、八戸工業大学が馬門中地区地先のアマモ場について、面積、桁曳禁漁による保全効果、アマモ場による二酸化炭素吸収量の定量化に取り組んだ。詳細については、申請対象期間に実施した活動の概要の項目に記した。 5 啓発活動 野辺地町漁業協同組合が漁業者を対象にブルーカーボンについて学習会を開催した。 ・申請プロジェクトがCO2吸収源の回復や拡大も目的としていることの説明 野辺地町漁業協同組合の組合員の多くはホタテガイの養殖に従事しており、近年の海水温の上昇によって養殖ホタテガイが大量に斃死する被害を直接受けている。このため、多くの漁業者が地球温暖化対策に強い関心を持っており、本プロジェクトが温暖化の緩和や防止に一定の役割を果たすことを理解し、期待を込めてアマモ場の保全や造成などの活動に取り組んでいる。これらの調査結果を基に,Jブルークレジット®の認証申請用資料を作成した。令和7年4月に野辺地町漁業協同組合小型船部会総会でブルーカーボンについて講話した。
2004年から現在