プロジェクト詳細

意見公募中
JBC00000246
未来に繋ごう!真珠のふるさと愛南町~幹縄筏が生み出すブルーカーボンプロジェクト~

愛南町ブルーカーボン推進協議会

人工基盤
吸収源の新たな創出
水産養殖を含む
【プロジェクト開始前の状況】 愛南町は愛媛県の最南端に位置し、水産業、とりわけ真珠養殖に用いられるアコヤガイ(母貝)の養殖が主要産業となっており、全国トップクラスの生産量を誇る一大産地である。しかしながら、真珠産業は景気に大きく左右され、近年ではビルナウイルス感染症により稚貝の大量斃死が発生するなど、極めて不安定な状況が続いている。その結果、真珠の生産量は減少し、国内真珠産業全体の衰退を招きかねない深刻な事態となっているほか、漁業者の高齢化・後継者不足という課題も顕在化している。 【プロジェクト立ち上げの理由】 愛南町の基幹産業である真珠産業が抱える問題、特に母貝生産の不振とそれに伴う養殖業者の減少という喫緊の課題に対し、持続可能な発展のため新たな方策が求められていた。安易な補助金だけでは根本的な解決にはならないという認識の下、これまで「邪魔もの」として廃棄されてきた幹縄筏(みきなわいかだ)に自然繁茂する海藻のマメタワラが、実はCO2を吸収・貯留する「ブルーカーボン」として新たな価値を持つことに着目、この隠れた地域資源を最大限に活用することは、愛南町が2023年4月から始動した「海業(うみぎょう)」という地域活性化策の重要な取組の一つとして位置づけられている。 【プロジェクト開始後の活動内容】 調査から申請、クレジットの販売や資金活用等をスムーズに行うため、2023年12月15日に愛南町ブルーカーボン推進協議会が設立され、以下のメンバーがそれぞれ役割を担う。  〇愛南漁業協同組合:協議会代表、事務局  〇真珠母貝生産組合:家串、油袋、平碆、柏崎地区における幹縄筏と藻捨て場の維持管理  〇国立大学法人愛媛大学南予水産研究センター:学術的助言等の支援  〇愛南町:藻場調査とJブルークレジットの申請、事務局支援  〇一般社団法人Umidas(ウミダス):プロジェクトの中間支援 【プロジェクトにおけるCO2吸収源の回復や拡大について】 水面に設置した幹縄筏は流れ藻を効率よくキャッチする特徴を持つ。また、付着した流れ藻の種が筏に付き、毎年筏から多くのマメタワラが生長する。それらはそのまま枯死して海底に沈む場合と、漁業者が除去して湾内に設置した「藻捨て場」に移され、枯死して沈む場合がある。いずれも筏での生長過程でCO2を吸収、それが海底に沈むことで固定、貯留するものである。さらに、幹縄筏にマメタワラが毎年安定して繁茂する環境を作り出すことにより、沿岸部への種の供給基地となっているほか、プロジェクトエリア沿岸の藻場に対する藻食性魚類の摂食圧を軽減させるなど、藻場の保全・拡大に重要な役割を果たしていると推察される。したがって、幹縄筏を活用する産業を持続的に行うこと自体が脱炭素化社会に貢献すると考える。
1975年頃~現在